※ 本記事は一般的な考え方の紹介であり、特定の保険加入を推奨するものではありません。実際の保険料・補償内容は物件・地域・商品によって異なります。

火災保険は「なんとなくの金額」で契約しがちですが、保険金額は高く設定すれば保険料がムダになり、低すぎると万一のときに建て直せません。 基準になるのは、「同じ建物をもう一度用意するのにいくらかかるか」という考え方です。

保険金額は「再調達価額」で決める

火災保険の保険金額は、被害を受けた建物・家財を同等のものに建て直す・買い直すのに必要な金額(再調達価額/新価)で設定するのが基本です。 中古の時価で設定すると、実際に全焼したときに受け取れる保険金が建築費に届かず、自己負担が発生します。逆に再調達価額を超える金額を設定しても、受け取れるのは実際の損害額までで、超過分の保険料はムダになります。

火災「以外」の補償範囲を確認する

火災保険は名前こそ「火災」ですが、実際には風災・水災・雪災・落雷・破裂・爆発など幅広い損害を対象にできます。どこまで付けるかで保険料が変わるため、住んでいる地域のリスクに合わせて取捨選択するのがポイントです。 とくに水災(洪水・高潮・土砂災害など)は地域によるリスク差が大きく、損害保険料率算出機構は住所に応じた「水災等地」による料率の細分化を行っています。ハザードマップで自宅の浸水リスクを確認したうえで、水災補償の要否を判断すると納得感があります。

契約期間は最長5年

火災保険の契約期間は、かつては最長10年でしたが、2022年10月以降は最長5年に短縮されています(損害保険各社)。長期契約は保険料の割引が利く一方、更新のたびに補償内容と保険金額を見直す機会にもなります。建物の評価額や家財の増減に合わせて、更新時に設定を点検するとよいでしょう。

地震による損害は「地震保険」が必要

見落としやすいのが、地震・噴火、およびこれらによる津波を原因とする火災・損壊は、火災保険だけでは補償されないという点です。これらに備えるには、火災保険とセットで加入する地震保険が必要です。地震保険は政府と保険会社が共同で運営する公的性格の強い制度で、単独では加入できません(財務省「地震保険制度の概要」)。 地震保険の保険金額は火災保険の30〜50%の範囲で設定するルールがあるため、「火災保険に入っていれば地震も安心」とはならない点を押さえておく必要があります。

自分の条件で試算してみる

火災保険が「掛け金に見合うか」は、建物の評価額・地域のリスク・想定する補償範囲によって変わります。 火災保険の期待値ギャップを無料で診断すると、条件に応じて保険料と補償のバランスを確認できます。

参考にした情報

  • 財務省「地震保険制度の概要」
  • 損害保険料率算出機構「水災に関する料率の細分化」関連資料
  • 損害保険各社「火災保険の契約期間(最長5年)」に関する案内(2022年10月改定)