※ 本記事は一般的な考え方の紹介です。実際の費用は車種・条件・地域によって異なります。紹介するサービスの料金・条件は変わることがあるため、最新情報は各社公式サイトでご確認ください。
「平日はほとんど乗らず、週末の買い物と月に数回のお出かけくらい」——そんな使い方でも、車を持っているだけで税金・保険・駐車場・車検といった維持費は距離に関係なく発生します。走行距離が少ない人ほど、1km あたりの実質コストは割高になっていくという構造があります。
走行距離が少ない人の車は「1kmあたり」で見ると割高になりやすい
自動車税・自賠責保険・車検の法定費用・任意保険・駐車場代の多くは、走った距離に関係なくかかる「固定費」です。年間維持費が同じでも、たくさん乗る人は距離で割れば1kmあたりが安く、あまり乗らない人ほど1kmあたりが高くなります。
実際、日本の乗用車の全国平均走行距離は年間で決して長くありません(一般社団法人 日本自動車工業会「2021年度乗用車市場動向調査」では、平均的な月間走行距離が数百km程度にとどまるとされています)。休日中心のいわゆる「週末ドライバー」や、家族で複数台持っていて1台あたりはあまり動かないケースでは、固定費の比重が特に大きくなります。
まず自分の年間維持費が実際いくらなのか、そしてそれをタクシーや公共交通に置き換えた場合とどちらが得かは、条件を入れれば試算できます(記事末尾のリンクから無料で確認できます)。
残価型リースの「月間走行距離の前提」に注目する
一般的なカーリースやサブスクの多くは残価型と呼ばれる仕組みで、契約満了時の想定下取り価格(残価)をあらかじめ差し引くことで月額を下げています。この残価を設計するとき、多くのサービスは月間の走行距離を 1,000〜1,500km 程度と想定して固定の月額料金を組み立てています。
裏を返すと、月に数百km しか乗らない人にとっては、「乗らない分の距離まで織り込んだ月額」を払っている構図になりがちです。走行距離が少ない人ほど、距離の前提が実態に合っているかが、割高かどうかの分かれ目になります。
一般的なカーリースの特徴と注意点は次の通りです。
- 頭金なしで、車両価格を月々の定額料金に含めて支払える
- 自動車税・自賠責保険・(プランによっては)車検費用や任意保険まで月額に含められる
- 契約満了時に「返却」「再リース」「買い取り」などを選べることが多い
- 一方で、契約期間中の総支払額は現金一括購入やマイカーローンより割高になりやすく、月間走行距離に上限が設けられていることが多い
サービス例: 距離で支払うマイカーリース「エンキロ」
走行距離の前提という論点に正面から向き合ったサービスの一例として、DRD4株式会社が提供する「エンキロ」を紹介します。同社によると、抑えめに設定した月額基本料金と、実際に走った分だけかかる距離料金を組み合わせることで、走行距離に応じて月々の支払額が変動する仕組みになっているとのことです。このコンセプトが評価され、グッドデザイン賞 2024 を受賞しています。
同社によれば、月間の走行距離が 100〜500km 程度の利用者からの申し込みが多く、たとえば地方で家族用・2台目として持つが1台あたりはあまり乗らないケースや、子育て期より走行距離が減ったものの引き続き車が必要というケースが典型的だとされています。車種ごとに1km走行あたりの価値の目減りを個別に計算して料金を設計しているため、結果的にリセールバリューが高い車ほど相対的にお得に乗りやすいとのことで、国産SUV・ミニバンのほか一部の高級車も人気だと紹介されています。
走行距離が少ないという自覚がある人にとっては、「固定の月額を払い続ける従来型」と「距離で変動する型」のどちらが自分の使い方に合うかを比べてみる価値があります。契約前には、基本料金・距離単価・契約条件を必ず公式サイトでご確認ください。
まとめ
あまり乗らないのに車を持ち続けると、固定費の比重が大きくなり1kmあたりの負担は割高になりがちです。「そもそも手放してタクシー・公共交通に切り替えたほうが得か」「距離の前提が実態に合ったリースに切り替えるか」——どちらも、まずは自分の年間維持費を数字で把握することから始まります。ご自身の条件で試算してみましょう。